[山田氏] 上流設計をしっかりと、開発生産性や保守性を考慮してデザインとロジックとは分離する、などとお決まりのポイントはいくつでもありますが、これらはそれぞれの書籍や記事をご覧頂くとして(笑)。
やはり一番大切なのは、「なにを目的になにを作るのか」をはっきりさせることなのではないでしょうか。別に、サイト作りに特化した話ではなくて、なにか物作りをするときの基本だとは思いますけど、要は「それを作ると、なにが便利になるのか」「それの付加価値はなんだろう」という点をはっきりさせることです。
これまたよく言われることですけど、ソフトウェアを作成していると、未だにシステム化、電子化することがまずありきというケースがよくあります。今でこそ、ROI(Return
On
Investment)とか投資利益率とか言われて、企業ではシステム投資に対する実利益が意識されることが多くなってきましたが、これは企業システムに関わらず、個人のサイトでも同じだと思います。
それって本当に作らなければならないの、それをまず問うてみてください。冒頭のお話ではないですけど、それで別に自分で作らなくても既存のアプリを使えるということであれば、どんどん使ってしまえばいいわけです。逆に、まずそれらが使えないかを考えてみる。自分のやりたいことを少し丸めれば、既存のものを使えるというならば、どんどん使っていけばいいんです。自作なんてものは、最終的にどうにもならなくなったときの最終手段なわけで、やらないにこしたことはない。いろんな知識を手に入れたからといって、それをむやみと振り回すことはない。
さっさと器を作ってしまって、そこからいかにコンテンツを拡充していくか、日々更新できる運用の仕組みを作っていくか、そちらの方がよっぽど重要なんです。皆、日々忙しい忙しいといってるわけですから、少しでもラクをしましょう。 |