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Outlookで開けない添付ファイルに遭遇したら

解説をスキップして操作方法を読む

WINGSプロジェクト
本田 将輝
2004/01/10
 
対象ソフトウェア
Outlook 2002
Outlook 2003
Outlook 2002以降では、セキュリティ対策の一環として、特定の拡張子を持つ添付ファイルを開いたり保存したりできないようにブロックされている。
だがこの制限のために、必要な添付ファイルが開けずに困ることがある。
レジストリを編集することによって、添付ファイルの拡張子ごとに制限を緩めることができる。
 
解説

 (Microsoft Officeに含まれる)Outlookは、メーラとしての利用のほかにもスケジュールの管理やToDoリストの管理、さらには主だったPDAとOutlookとのシンクロナイズ機能を提供している。Exchange Serverとの連携機能などもあるため、企業ユーザーにはOutlook利用者が少なくない。このためコンピュータ・ウイルスのターゲットとして狙われることも多い。

 そこでマイクロソフトは、Outlookのセキュリティ・レベル向上に向けたさまざまな努力を行っている。その1つがウイルスを含む可能性のあるメール添付ファイルへの対応だ。特定の拡張子を持つ添付ファイルについては、「次の添付ファイルは問題を起こす可能性があるため、利用できなくなりました: 〜〜.exe」といったメッセージが表示されるのみで、その添付ファイルを開くことも、ディスクへ保存することもできない仕組みになっている。

添付ファイルが付けられたメールの例
デフォルトのセキュリティ設定では、.exeや.cmdを始め、セキュリティ上の問題が生じる可能性のある添付ファイルは、表示したり、オープンしたりできないようになっている。
  添付ファイルが存在するものの、.exeは開く(実行する)ことも、ディスクに保存することもできない。

 もちろん、ウイルスの脅威から身を守るためには仕方がない部分はあるが、これでは日常のメールのやりとりに支障をきたす場合もあるだろう。Outlookのオプション設定画面をいくら探しても、この設定を変更する個所は見当たらない。Outlookのヘルプ・ファイルによると、実行ファイルは、ZIPファイルなどに圧縮して送信するなどの方法が推奨されている。だが、すでに受信してしまったファイルを開いたり保存したりすることはできない。

 レジストリを編集することで、この設定をカスタマイズすることができる。


操作方法
 
[注意]

レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、システムに重大な障害を及ぼし、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあります。レジストリ エディタの操作は慎重に行うとともに、あくまで御自分のリスクで設定を行ってください。何らかの障害が発生した場合でも、本Windows Server Insider編集部では責任を負いかねます。ご了承ください。

手順1―Outlookを終了し、レジストリ・エディタを起動する

 Outlookが起動している場合はあらかじめ終了してから、レジストリ・エディタを起動する。[スタート]メニューの[ファイル名を指定して実行]を選択し、実行するプログラム名として「regedit」と入力する。

手順2―レジストリキーにアクセスする

 以下のレジストリ・キーにアクセスする。Outlook 2002とOutlook 2003とでレジストリ・キーが異なるので注意されたい。

バージョン レジストリ・キー
Outlook 2002 HKEY_CURRENT_USER の\Software\Microsoft\Office\10.0\Outlook\Security
Outlook 2003 HKEY_CURRENT_USER の\Software\Microsoft\Office\11.0\Outlook\Security
アクセスするレジストリ・キー
Outlookのバージョンによって、アクセスするキーが異なる。

手順3―文字列値の値Level1Removeを追加登録する

 次に新しいレジストリの値として文字型のLevel1Removeを作成し、実際にアクセスを許可したいファイル拡張子を次のように入力する。

.exe

 複数のファイル拡張子を指定したい場合は、次のようにセミコロンで接続して入力する。

.exe;.com

 以下のようにレジストリが設定されていることを確認する。

レジストリの設定
レジストリに許可したいファイルの拡張子を追加する。この設定はユーザーごとに行う必要がある。
  このキーの場所はOutlookのバージョンごとに異なるので注意する。
  Securityキーを選択する。
  デフォルトではこの値は存在していないはずなので、Level1Removeという文字列型の値を新規に作成する。
  文字列型。
  ブロックを解除したいファイル拡張子の一覧をセミコロンで区切って記述する。例えば「.exe」と「.com」のブロックを解除するなら「.exe;.com」と指定する。

手順4―Outlookで添付ファイルにアクセスする

 Outlookを起動し、レジストリ・エディタで指定した拡張子のファイルが添付されているメールを開く。今度は以下のように、添付ファイル名が表示され、アクセスできるようになっているはずである。

表示された添付ファイル
レジストリを操作することにより、特定のファイル拡張子に対するブロックを解除することができる。

 添付ファイルのアイコンをダブルクリックすると(もしくは右クリックしてポップアップ・メニューから[開く]を選択する)、次のようなセキュリティ警告が表示されるとともに[ディスクに保存]ボタンが表示されるようになる。

添付ファイルの保存ダイアログ
添付ファイルのアイコンをダブルクリックすると、このようなセキュリティ警告ダイアログが表示され、ファイルを保存できるようになる。通常の添付ファイルと違い、セキュリティを脅かす可能性のあるファイルは、レジストリを設定しても、直接[開く]ことはできず、いったんディスクに保存してから、ユーザーが処理することになる。
  添付ファイルの名称。
  ファイルを直接開くことはできず、ディスクに保存することだけが可能。

ブロックされているファイル拡張子

 Outlookにおいて、デフォルトでブロックされているファイル拡張子を以下に示しておく。これらの添付ファイルを開いたり保存したりしたい場合は、上で述べたレジストリに値を追加する必要がある。End of Article

拡張子
ファイルの種類
.ade
Microsoft Accessプロジェクト・エクステンション
.adp
Microsoft Accessプロジェクト
.asx
Windows Mediaオーディオ/ビデオ・ショートカット
.bas
Microsoft Visual Basicクラス・モジュール
.bat
バッチ・ファイル
.chm
コンパイル済み HTMLヘルプ・ファイル
.cmd
Microsoft Windows NTコマンド・スクリプト
.com
MS-DOSプログラム
.cpl
コントロール・パネル
.crt
セキュリティ証明書
.exe
実行プログラム
.hlp
ヘルプ・ファイル
.hta
HTMLプログラム
.inf
セットアップ情報ファイル
.ins
インターネット・ネーム・サービス
.isp
インターネット通信設定
.js
JScriptファイル
.jse
Jscriptエンコード・ファイル
.lnk
ショートカット
.mdb
Microsoft Accessプログラム
.mde
Microsoft Access MDEデータベース
.msc
Microsoft Common Consoleドキュメント
.msi
Microsoft Windowsインストーラ・パッケージ
.msp
Microsoft Windowsインストーラ・パッチ
.mst
Microsoft Windows Installerトランスフォーム・ファイル、Microsoft Visual Testソース・ファイル
.pcd
Photo CDイメージ、Microsoft Visualコンパイル済みスクリプト
.pif
MS-DOSプログラムへのショートカット
.prf
Microsoft Outlookプロファイル設定
.reg
レジストリ・エントリ
.scf
Windowsエクスプローラ・コマンド
.scr
スクリーン・セーバー
.sct
Windows Script Component
.shb
シェル・スクラップ・オブジェクト
.shs
シェル・スクラップ・オブジェクト
.url
インターネット・ショートカット
.vb
VBScriptファイル
.vbe
VBScriptエンコード・ファイル
.vbs
VBScriptファイル
.wsc
Windows Script Component
.wsf
Windowsスクリプト・ファイル
.wsh
Windowsスクリプティング・ホスト設定ファイル
デフォルトでブロックされるファイルの拡張子
これらの拡張子を持つファイルは、Outlookのデフォルト状態では、表示やアクセスを実行しないように保護されている。
 
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