SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

AngularJSアプリ開発を支援する便利モジュール

AngularJSアプリに地図を導入する - Angular Google Maps

AngularJSアプリ開発を支援する便利モジュール(12)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 AngularJSは、テンプレートエンジン、データバインディング、ルーティング、DIコンテナーなどなど、Webアプリのフロントエンドを開発するために必要な機能をあまねく揃えたフルスタックのフレームワークです。もっとも、本格的な開発ではそれだけで賄えるわけではなく、要件に応じて、周辺のモジュールと連携するのが一般的です。本連載では、AngularJSで利用できる拡張ライブラリを、具体的な利用例とともに紹介します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 なお、本連載ではAngularJSそのものに関しては解説しませんので、専門書として『AngularJSアプリケーションプログラミング』、姉妹連載「AngularJSではじめるJavaScriptフレームワーク開発スタイル」などを併せて参照してください。

はじめに

 Googleマップと言えば、おそらくこの記事を読む人であれば知らない人はいないだろうと思われる、地図アプリの定番中の定番です。Google Maps APIと呼ばれるJavaScriptベースのAPIも用意されており、自作のアプリから地図を操作したり、挙動を自在にカスタマイズできる点も重宝される要因のひとつです。

 Angular Google Mapsは、このGoogle Maps APIのラッパーで、AngularJSのディレクティブ構文でGoogleマップを自前のアプリに組み込むことを可能にします。

対象読者

  • AngularJSについて基本的な概念を理解している方
  • AngularJSで利用できる拡張モジュールに興味がある方
  • AngularJSアプリからGoogleマップを利用したい方

検証環境

 この記事では、以下の環境でサンプルの動作を確認しています。

  • AngularJS 1.5.0
  • Angular Google Maps 2.3.2
  • Chrome 49
  • Firefox 45
  • Internet Explorer 11

 Angular Google Mapsは、Bowerを利用することで、以下のコマンドでインストールできます。

> bower install angular-google-maps

基本的な地図を表示する

 まずは、基本的なマップを有効化してみましょう。

リスト1 map.html
<!DOCTYPE html>
<html ng-app="myApp">
<head>
<meta charset="UTF-8" />
<title>AngularJS</title>
<link rel="stylesheet" href="css/map.css" />
<!-- (1)各ライブラリをインポート -->
<script src="bower_components/lodash/dist/lodash.min.js"></script>
<script src="bower_components/angular/angular.min.js"></script>
<script src="bower_components/angular-simple-logger/dist/angular-simple-logger.min.js"></script>
<script src="bower_components/angular-google-maps/dist/angular-google-maps.min.js"></script>
<script src="scripts/map.js"></script>
</head>
<body ng-controller="MyController">
<!-- (4)地図を表示 -->
<ui-gmap-google-map center="map.center" zoom="map.zoom" options="map.options">
</ui-gmap-google-map>
</body>
</html>
リスト2 map.js
// (2)uiGmapgoogle-mapsモジュールへの依存関係を設定
angular.module('myApp', [ 'uiGmapgoogle-maps' ])
  // (3)Google Maps APIをロード時の基本情報を設定
  .config(['uiGmapGoogleMapApiProvider', function(uiGmapGoogleMapApiProvider) {
    uiGmapGoogleMapApiProvider.configure({
      v: '3.22'
    });
  }])
  .controller('MyController', ['$scope', 'uiGmapGoogleMapApi',
    function($scope, uiGmapGoogleMapApi) {
      uiGmapGoogleMapApi.then(function(maps) {
        // (5)<ui-gmap-google-map>要素の属性情報
        $scope.map = {
          center: { latitude: 35.681382, longitude: 139.766084 },
          zoom: 12,
          options: {
            mapTypeId: google.maps.MapTypeId.HYBRID
          }
        };
      });
    }]);
リスト3 map.css
.angular-google-map-container {
  height: 400px;
  width: 600px;
}
東京駅を中心に地図を表示
東京駅を中心に地図を表示

 Angular Google Mapsを利用するには、Angular Google Maps本体のほか、lodash、angular-simple-loggerというライブラリが必要です。Angular Google Mapsに先立って、インポートしてください(1)。また、アプリモジュール(myApp)からuiGmapgoogle-mapsモジュールへの依存関係を設定しておきます(2)。

 configメソッドの配下では、uiGmapGoogleMapApiProviderプロバイダーのconfigureメソッドでGoogle Maps APIをロードする際の基本情報を指定しておきます(3)。ここでは最低限、vパラメーター(APIのバージョン)を宣言しておきます。

 基本的な地図を表示するのは、<ui-gmap-google-map>要素の役割です(4)。地図そのもののサイズなどは、スタイルシート(本書ではmap.css)で.angular-google-map-containerクラスに対して設定します。.angular-google-map-containerクラスは、<ui-gmap-google-map>要素によって生成された地図のコンテナー要素です。

 <ui-gmap-google-map>要素で利用できる主な属性は、以下の通りです。

<ui-gmap-google-map>要素の主な属性
属性 概要
center 地図の中心座標(latitude:緯度、longitude:経度)
zoom 拡大率(1~20)
options 地図オプション

 これらの情報はスコープオブジェクトのプロパティとして宣言しています(5)。この際、uiGmapGoogleApi.thenメソッドの配下でスコープオブジェクトを操作している点に注目してください。thenメソッドは、Google Maps APIがロードされた後で配下のコードを実行しなさい、という意味です。thenメソッドの配下でないと、google.maps.MapTypeId.ROADMAPのような定数は認識できませんので、注意してください。

 options-mapTypeIdパラメーターは地図の種類を表します。ROADMAP(通常の地図)、SATELLITE(衛星地図)、HYBRID(双方)などを指定できます。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
地図上の地点にマーカーを立てる

この記事は参考になりましたか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
AngularJSアプリ開発を支援する便利モジュール連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト(ウイングスプロジェクト)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/9345 2016/04/14 14:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング