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サンプルコードで学ぶRuby on Rails 5実践入門

Rails 5の環境構築とscaffoldで基本構成を体感

サンプルコードで学ぶRuby on Rails 5実践入門 第2回

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 前回は、Rails 5の新機能や追加機能を紹介し開発環境構築を行いました。第2回となる今回は、Rails 5のプロジェクト作成、scaffoldを利用してRails 5の基本構成を体感していきます。

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Rails 5の環境構築(続き)

 前回はRails 5のインストールまでを行いました。

 今回はRailsプロジェクトの作成とデータベース作成、pumaサーバーの起動を行います。

Railsプロジェクトの作成

 Railsプロジェクトを作成します。

 RailsのデフォルトのデータベースはSQLiteですが、本連載ではデータベースにPostgreSQLを使用するため、-d postgresオプションを指定します。

$ bundle exec rails new . -d postgresql
       exist
      create  README.md
      create  Rakefile
      create  config.ru
      create  .gitignore
    conflict  Gemfile
Overwrite /Users/chikuba/sandbox/rails/rails5_sample/Gemfile? (enter "h" for help) [Ynaqdh]⇒ (「Y」と入力)
       force  Gemfile
      create  app
      create  app/assets/config/manifest.js
                        …(中略)…
Installing sass-rails 5.0.6
Bundle complete! 15 Gemfile dependencies, 63 gems now installed.
Bundled gems are installed into ./vendor/bundle.
         run  bundle exec spring binstub --all
* bin/rake: spring inserted
* bin/rails: spring inserted

 rails newコマンドではGemfileを生成しますが、既にbundle initによって生成されたGemfileが存在しているため、上書きするか聞いてきます。ここでは上書きするため、Yを入力します。

 このように、一通りRailsで必要となるファイル群が生成された後、デフォルトでは自動でbundle installが実行されます。これはGemfileがrails newコマンドによって上書きされ、追加で定義されたgemパッケージのインストールが必要なためです。bundle installを手動で行いたい場合は--skip-bundleオプションを指定します。

 実際にrails newコマンドで再生成されたGemfileの中身は、以下の通りです。

リスト1 Gemfile
source 'https://rubygems.org'

# Bundle edge Rails instead: gem 'rails', github: 'rails/rails'
gem 'rails', '~> 5.0.0', '>= 5.0.0.1'
# Use postgresql as the database for Active Record
gem 'pg', '~> 0.18'
# Use Puma as the app server
gem 'puma', '~> 3.0'
# Use SCSS for stylesheets
gem 'sass-rails', '~> 5.0'
…(中略)…
# Windows does not include zoneinfo files, so bundle the tzinfo-data gem
gem 'tzinfo-data', platforms: [:mingw, :mswin, :x64_mingw, :jruby]

 -d postgresqlオプションを指定したので、Gemfileの通り、データベースアダプターのgemがpgとなっています。このオプションがないとデフォルトではgem sqlite3となります。

データベース接続の設定

 Railsアプリケーションが使用するデータベースの設定を確認します。データベースの設定ファイルはconfig/databases.ymlです。

リスト2 config/databases.yml
default: &default
  adapter: postgresql
  encoding: unicode
  …中略…
  pool: <%= ENV.fetch("RAILS_MAX_THREADS") { 5 } %>

development:
  <<: *default
  database: rails5_sample_development
  …中略…
test:
  <<: *default
  database: rails5_sample_test
  …中略…
production:
  <<: *default
  database: rails5_sample_production
  username: rails5_sample
  password: <%= ENV['RAILS5_SAMPLE_DATABASE_PASSWORD'] %>

 このように、デフォルトでは開発環境用(development)、テスト環境用(test)、本番環境用(production)のデータベース名の設定が入っています。データベースのホストはlocalhost、ポート番号は5432が、それぞれデフォルト値です。

 データベース名はプロジェクト名_環境と、環境のポストフィックスが付いていることが分かります。

 config/databases.ymlのencodingがデフォルトでunicodeになっていますので、これをutf8に変更します。

リスト3 config/databases.yml
default: &default
  adapter: postgresql
  encoding: utf8
  …中略…

 なお、ローカルPCへのPostgreSQLインストール時、特にオプション等を指定していなければログインユーザーでパスワードなしのデータベース作成権限が付与されているはずなので、config/databases.ymlのusername、passwordは指定なしでも問題ありません。

 ひとまずは開発環境/テスト環境用のデータベースをRails経由で作成しましょう。以下のコマンドを実行します。

$ bundle exec rails db:create
Created database 'rails5_sample_development'
Created database 'rails5_sample_test'

 以前はrakeコマンドで実行していましたが、Rails 5ではrailsコマンドでデータベースを作成することができるようになりました。また、以前はデータベース作成されたメッセージが出力されませんでしたが、メッセージが出力されるようになっています。

Railsアプリケーションの起動

 いよいよRailsアプリケーションの起動です。

 rails sコマンドでRailsアプリケーションを起動してみましょう。

$ bundle exec rails s
=> Booting Puma
=> Rails 5.0.0.1 application starting in development on http://localhost:3000
=> Run `rails server -h` for more startup options
Puma starting in single mode...
* Version 3.6.0 (ruby 2.3.1-p112), codename: Sleepy Sunday Serenity
* Min threads: 5, max threads: 5
* Environment: development
* Listening on tcp://localhost:3000
Use Ctrl-C to stop

 無事にWebサーバーのPumaが起動しました。

 前回触れたように、RailsのデフォルトのWebサーバーがWEBrickからPumaに変更されています。

 Webサーバーを起動したのでWebブラウザで「http://localhost:3000」にアクセスします。以下のような画面が出力されれば無事、Rails 5の開発環境が整いました。

図1 Railsのスタートページ
図1 Railsのスタートページ

 Railsアプリケーションを起動したコンソールに戻ると、以下のようなログが出力されていることが確認できます。

Started GET "/" for ::1 at 2016-09-04 02:36:08 +0900
Processing by Rails::WelcomeController#index as HTML
  Parameters: {"internal"=>true}
  Rendering vendor/bundle/ruby/2.3.0/gems/railties-5.0.0.1/lib/rails/templates/rails/welcome/index.html.erb
  Rendered vendor/bundle/ruby/2.3.0/gems/railties-5.0.0.1/lib/rails/templates/rails/welcome/index.html.erb (5.2ms)
Completed 200 OK in 30ms (Views: 14.3ms | ActiveRecord: 0.0ms)

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WINGSプロジェクト 竹馬 力(チクバ ツトム)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

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