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Visual Studio Team System 2008 Architecture Editionを使ってみよう

配置デザイナでアプリケーションとデータセンターの整合性を検証しよう

Visual Studio Team System 2008 Architecture Editionを使ってみよう(4)


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 Visual Studio Team System 2008には、以前の製品(Visual Studio 2005 Team System)同様に分散デザインを行うための機能を有したArchitecture Editionという製品がリリースされています。若干、使いどころが分かりにくい製品ではありますが、この製品に用意されている分散デザイナ機能を確認することでどういった用途が考えられるのかを見ていきたいと思います。今回は分散デザイナ機能のうち、配置デザイナについて使い方と使いどころを確認していきます。

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はじめに

 本稿は、Visual Studio Team System 2008 Architecture Editionを使ってみようというシリーズ全4回中の第4回にあたるものです。本シリーズでは、Visual Studio Team System 2008 Architecture Edition(以下、VSTS-AEと表記します)に用意されている「分散デザイナ」と総称される「アプリケーションデザイナ」「システムデザイナ」「論理データセンターデザイナ」「配置デザイナ」の4つのデザイナ機能について、使い方や使いどころなどを解説しています。

 連載の過去の内容については以下をご覧ください。

 連載の最後となる今回は、VSTS-AEに用意されている配置デザイナというものを利用します。配置デザイナは「論理データセンターにアプリケーションをどのように配置するのか」をモデルとして示すためのもので、今まで連載で扱ってきたものを総動員する、まさに総決算のような内容です。

 本稿では今までの回で解説していた用語がふんだんに登場します。分散デザイナについて確認しておきたい場合には、上記を参考に過去の回をご覧ください。また、本稿の説明の中では、連載の第2回、第3回で作成したモデルを利用するため、1から順番に試してみたい場合には、それぞれの回をご覧ください。早く先に進みたい場合には、付属のサンプルファイル(CodeZine-VSTS-AE04.zip)をダウンロードして、解凍します。解凍されたフォルダ内には、作業を始める準備が整っている「CodeZine-VSTS-AE04」というフォルダがあります。このフォルダ内の「CodeZine-VSTS-AE04.sln」ファイルをVSTS-AEで開けば、本稿で説明する内容を進めていくことができます。なお、本稿の解説では「CodeZine-VSTS-AE04.sln」ソリューションを使った説明を行っていきます。ソリューションを1から自分で作られた場合には、適宜読み替えてください。

 また、作業終了後の状態になっている「CodeZine-VSTS-AE04-Finish」というフォルダも用意してあります。作業はしないけど、確認はしてみたいという場合には、こちらの内容をご覧ください。

対象読者

  • .NET Frameworkを利用した開発プロジェクトに携わっている人
  • Visual Studio Team System 2008に興味がある人

必要な環境と準備

 本稿で解説している内容を実際に試す場合には、以下の環境が必要となります。

  • Visual Studio Team System 2008 Architecture Edition
  • または、Visual Studio Team System 2008 Team Suite

 お手元に製品メディアがない場合には、評価版を利用しても構いません。VSTS-AEの評価版は用意されていませんので、代わりに「Visual Studio Team System 2008 Team Suite (90 日間評価版)」をダウンロードしてインストールを行ってください。

 なお、本稿で解説している内容およびスクリーンショットは、Visual Studio 2008 Team Suite + Service Pack 1を利用している環境に基づいています。そのため、VSTS-AEを利用している場合、またはService Pack 1が当たっていない場合の2つの場合において、スクリーンショットの一部に差異がある可能性があります。本稿で解説している内容を実践する場合には、できる限りService Pack 1を適用した状態で行うようにしてください。

配置デザイナとは

 まずは、配置デザイナとはなんですか? と言うところを少し明確にしておきましょう。通常、アプリケーションデザインを考える場合には、それぞれのアプリケーションがどのような関連を持っているか、ということを検討します。VSTS-AEの世界では、それらはアプリケーションデザイナやシステムデザイナを利用して、図1に示すようなモデルを描くことができます。

図1:VSTS-AEで作るアプリケーションダイアグラム
図1:VSTS-AEで作るアプリケーションダイアグラム

 このようにアプリケーションのデザインを考えると同時に、それぞれをどんなサーバーに配置するのか、も検討するのが一般的ではないかと思います。そのためのベースとなるデータセンターの論理モデルはVSTS-AEの世界では、論理データセンターデザイナを利用して、図2に示すようなモデルを描くことができました。

図2:VSTS-AEで作る論理データセンターダイアグラム
図2:VSTS-AEで作る論理データセンターダイアグラム

 モデルが2つあって、それらが別々に存在していたのでは、どのサーバーにどのアプリケーションを配置するのかが直感的には分かりません。そこで、この2つをドッキングさせて1枚のモデルにするのがVSTS-AEに用意されている「配置デザイナ」という機能です。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト りばてぃ/FUJIKO/ナオキ(リバティ, フジコ, ナオキ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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