ここ数年「Application Lifecycle Management(ALM)」という言葉をよく聞くようになりました。ALMは、設計からコーディング、テスト、メンテナンスまでを一括管理するといった意味合いの言葉です。

 以前の開発ツールには、コーディング支援が主に要求されていました。しかし、アプリケーションの生産性と品質を高めるには、設計やテスト作業にもツールによる支援が必要だということがわかってきました。そこで、ALMという言葉と、それを実現するツールが注目されているのです。

 Visual StudioはVisual Studio 2005の段階で、コーディング担当者の効率を向上させる機能だけでなく、チーム開発を円滑に進めるための機能を搭載しました。2005から数えて3代目となるVisual Studio 2010(VS2010)には、設計者からテスト担当者に至る、開発に携わるすべての人がチームとして、開発、リリース、保守を円滑に進める機能が多数搭載されています。VS2010に含まれる機能で、ALMに役立つものを図1にまとめました。ここでは、管理やテストで利用できるVS2010の新機能に焦点を当てて解説していきます。

図1●Visual StudioのALM(Application Lifecycle Management)関連の機能
図1●Visual StudioのALM(Application Lifecycle Management)関連の機能
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