皆さんはCoffeeScriptという言語をご存じですか?CoffeeScriptは、一言で言うならば、JavaScriptのコードを生成するためのコンパクトなスクリプト言語です。CoffeeScriptのコードは、コンパイル(翻訳)することでJavaScriptに変換された上で実行されます(図1)。クライアント側に特別なプラグインは必要ありません。既存の標準的なWebブラウザーだけで、CoffeeScriptのコードを実行できます。

図1●CoffeeScript実行の流れ
図1●CoffeeScript実行の流れ

 JavaScriptが普及している今、なぜCoffeeScriptなのでしょうか。実は現在のJavaScriptには、さまざまな問題点が指摘されています。JavaScriptは初心者にハードルの低い言語ですが、複雑なコードを記述しようとすると様々な落とし穴に出くわします。それを回避するために理解しなければならない細かなコーディングルールがたくさん存在します。

 CoffeeScriptでは、JavaScriptで陥りがちな罠を回避するために、様々な仕組みを用意しています。CoffeeScriptの構文に沿ってコードを記述することで、「安全で」「高性能な」JavaScriptのコードを自動的に作成できるのです。例えば、CoffeeScriptを使えば、JavaScriptと同じ意味のコードを、2分の1から3分の1の量で記述できます。シンプルなコードは読みやすく、バグが混入しにくくなります。

 CoffeeScriptがコンパイルした結果のJavaScriptは、JavaScriptのベストプラクティスのコードを随所に取り込んでいます。より良いJavaScriptのコードを書くためにもCoffeeScriptを学ぶ価値は十分にあるでしょう。