COM関数でのExcel操作は手軽である半面、前述のような問題もあります。そこで、広く公開用のサイトでExcelと連携させるなら、「PHPExcel」というライブラリがオススメです。COM関数は、そもそもCOMというWindowsの技術を利用していますので、Windows環境でしか利用できません。一方、PHPExcelなら環境によらず利用できるというメリットもあります。

PHPExcelのインストール

 PHPExcelは、公式サイトから入手できます(図1)。ダウンロードしたPHPExcel_1.7.9_doc.zip(1.7.9はバージョン番号)を解凍(展開)すると、配下に「Classes」フォルダーができますので、その中の「PHPExcel」フォルダーと「PHPExcel.php」をインクルードパスの通ったフォルダーにコピーします。

図1●PHPExcelをダウンロードして利用する
図1●PHPExcelをダウンロードして利用する
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 インクルードパスとは、ライブラリなどを読み込む際に検索先となるパスのことです。例えばXAMPP*を利用しているなら、「C:\xampp\php\PEAR」がインクルードパスに含まれているので、ここに配置してもよいでしょう。

* PHP、Apache、MySQLなど、Webアプリの開発/実行に必要な環境をまとめてインストールするためのソフトウエアです。インストール方法については、著者サイト「サーバサイド技術の学び舎 - WINGS」で「サーバサイド環境構築設定」のページなどを参照してください。

 なお、PHPExcelのパッケージには、クラスライブラリ本体の他にも、ユーザードキュメントやサンプルコードが豊富に用意されています。特に「Examples」フォルダー配下のサンプルコードには、計算式やセルスタイルの設定、PDF形式への変換、オートフィルタなど、PHPExcelのさまざまな利用例がたくさん詰まっています。本格的に活用したいという人は、実際に動かした上でコードも確認しておくことをお勧めします。