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AngularJSアプリ開発を支援する便利モジュール

AngularJSアプリでソート/ページングやフィルター機能付きの高機能グリッド表を実装する(UI Grid)

AngularJSアプリ開発を支援する便利モジュール 第3回

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 AngularJSは、テンプレートエンジン、データバインディング、ルーティング、DIコンテナーなどなど、Webアプリのフロントエンドを開発するために必要な機能をあまねく揃えたフルスタックのフレームワークです。もっとも、本格的な開発ではそれだけで賄えるわけではなく、要件に応じて、周辺のモジュールと連携するのが一般的です。本連載では、AngularJSで利用できる拡張ライブラリを、具体的な利用例とともに紹介します。今回紹介するのは、ソート/ページングやフィルター機能付きの高機能グリッド表を実装できる「UI Grid」です。

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 なお、本連載ではAngularJSそのものに関しては解説しませんので、専門書として『AngularJSアプリケーションプログラミング』、姉妹連載「AngularJSではじめるJavaScriptフレームワーク開発スタイル」などを併せて参照してください。

はじめに

 アプリで扱うデータが大量になった場合、これをひとつのグリッド表でずらっと並べるのは、あまり得策ではありません。スクロールしてしまえばタイトル行が見えなくなり、それだけでも各列の情報は見づらくなります。そもそも巨大な表の中から目的のデータを探し出すのは、ユーザーに優しいつくりとはいえません。

 そこで、グリッド表にソート機能、フィルター機能、ページング機能などを付与して、一度に見せるデータを絞り込むようなしくみを実装するのが一般的です。そして、これらの機能をごくシンプルなコードで実装可能にするのが、UI Gridの役割です。

対象読者

  • AngularJSについて基本的な概念を理解している方
  • AngularJSで利用できる拡張モジュールに興味がある方
  • 大量のデータをスマートにグリッド表示したいと考えている方

検証環境

 この記事では、以下の環境でサンプルの動作を確認しています。

  • AngularJS 1.4.3
  • UI Grid 3.0.4
  • Chrome 44
  • Firefox 39
  • Internet Explorer 11

 UI Gridは、Bowerを利用することで、以下のコマンドでインストールできます。Bowerに関する詳細は、別稿「Web開発ライブラリを自動的に入手できるパッケージ管理ツールBower」を参照してください。

> bower install angular-ui-grid

基本的なグリッド表を実装する

 まずは、ソート/フィルター/ページングなどの機能を持たない、ごくシンプルなグリッド表を、UI Gridを使って実装してみます。以降は、ここでのサンプルをベースに、さまざまな追加機能を組み込んでいくものとします。

リスト1 基本的なグリッド表の例(grid_basic.html)
<!DOCTYPE html>
<html ng-app="myApp">
<head>
<meta charset="UTF-8" />
<title>AngularJS</title>
<link rel="styleSheet" href="bower_components/angular-ui-grid/ui-grid.min.css" />
<script src="bower_components/angular/angular.min.js"></script>
<script src="bower_components/angular-ui-grid/ui-grid.min.js"></script>
<script src="scripts/grid_basic.js"></script>
</head>
<body ng-controller="MyController">
<div ui-grid="myGrid"></div>
</body>
</html>
リスト2 基本的なグリッド表の例(grid_basic.js)
angular.module('myApp', [ 'ui.grid'])
  .controller('MyController', ['$scope', 'uiGridConstants', function($scope, uiGridConstants) {
    $scope.myGrid = {
      columnDefs: [
        {
          field: 'cid',
          displayName: '商品コード',
        },
        {
          field: 'name',
          displayName: '商品名'
        },
        {
          field: 'price',
          displayName: '価格'
        },
        {
          field: 'from',
          displayName: '産地'
        },
        {
          field: 'ship',
          displayName: '出荷日'
        }
      ],
      data: [
        {
          cid: '1164',
          name: '幸水なし',
          price: 3240,
          from: '千葉県',
          ship: new Date(2015, 6, 28)
        },
        ...中略...
      ]
    };
  }]);
UI Gridで実装した基本的なグリッド表
UI Gridで実装した基本的なグリッド表

 UI Gridを利用するには、まず以下のライブラリ/スタイルシートをインポートした上で、現在のモジュールからはui.gridモジュールへの依存関係を設定します。

  • ui-grid.min.js(ライブラリ)
  • ui-grid.min.css(スタイルシート)

 グリッド表を定義するには、表示する領域を表す<div>要素に対して、ui-grid属性を付与するだけです。属性には、グリッド表の情報を、columnDefs(列定義)/data(データ本体)パラメーターからなるハッシュを渡します。

 dataパラメーターには、グリッド表に表示すべきデータモデルを「プロパティ名: 値」ハッシュの配列として指定します。

 columnDefsパラメーターには、最低限、以下のサブパラメーターを渡します。

  • field(列に関連付く項目のプロパティ名)
  • displayName(タイトル行の表示名)

 columnDefsパラメーターは、正しくは必須ではありませんが、指定しなかった場合には、タイトル行がdataプロパティで指定したキー名(一般的には英語名)となってしまいます。明示的に日本語タイトルを宣言しておくのが望ましいでしょう。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト(ウイングスプロジェクト)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/8941 2015/09/24 14:00

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