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最先端テクノロジーに対応した高速・軽量なJavaScript UIライブラリ「Wijmo」の活用(AD)

JavaScript UIフレームワーク「Vue.js」で「Wijmo(ウィジモ) 5」のリッチなUI部品を使おう

ECMAScript 5に準拠した高速・軽量なJavaScript UIライブラリ「Wijmo 5」の活用 第15回

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 本連載では、グレープシティが提供するJavaScriptライブラリWijmo(ウィジモ)について、サンプルとともに利用例を紹介します。WijmoはさまざまなJavaScriptフレームワークやライブラリと組み合わせて利用できますが、今回はJavaScript UIフレームワークVue.jsと組み合わせる方法を説明します。WijmoのコントロールをVue.jsのWebページに組み込んで活用できます。

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はじめに

 Wijmo(ウィジモ)は、グレープシティがHTML/JavaScript環境に向けて提供しているJavaScriptライブラリで、WebサイトやWebアプリケーションで活用できるUI部品を利用者に提供します。現行版はECMAScript 5に対応した「Wijmo 5」です。

 Wijmoは単体でも利用できる一方、AngularReactVue.jsKnockoutといった、さまざまなJavaScriptフレームワークやライブラリと組み合わせて利用できます。本連載では、Angularとの組み合わせや、Reactとの組み合わせを紹介してきました。

 今回は、AngularやReactと比較されることの多いJavaScript UIフレームワークVue.jsとWijmoを組み合わせる方法を紹介します。

 Vue.jsは、GoogleでAngularJSを利用した開発に携わっていたEvan You氏を中心に、オープンソースコミュニティで開発されているJavaScript UIフレームワークです。日本語ドキュメントが充実していることや、Webページに部分的に適用できる(その意味で「プログレッシブフレームワーク」と呼ばれる)特徴から、導入や学習が比較的容易であると言われています。一方で、Webページ全体をVue.jsで実装する、本格的なフレームワークとしての利用も可能です。

[補足]Wijmo最新版「2019J v1」について

 Wijmoは継続的にバージョンアップされており、2019年4月にはメジャーバージョンアップとなる「2019J v1」がリリースされました。2019J v1には、新元号「令和」への対応をはじめとして、さまざまな新機能が追加されています。2019J v1の詳細は公式ページで案内されています。

対象読者

  • WebサイトやWebアプリケーションのレベルをワンランク上げたい方
  • Wijmoと組み合わせるフレームワークを探している方
  • Vue.jsでさまざまなUI部品を手軽に使いたい方

必要な環境

 Wijmo 5はECMAScript 5に対応するブラウザをサポートします。詳細はWijmoのWebサイトで案内されています。

 Vue.jsでは、プロジェクトの生成や実行をコマンドで行えるツール「Vue CLI」が利用できます。Vue CLIの動作にはNode.jsが必要です。また、Vue.jsにはバージョン1と2がありますが、本記事ではバージョン2を利用します。

 以上を踏まえて、今回は以下の環境で動作を確認しています。

  • Windows 10 64bit版
    • Wijmo 5 5.20191.615
    • Vue.js 2.6.10
    • Vue CLI 3.8.2
    • Node.js v10.16.0 64bit版
    • Microsoft Edge 44.17763.1.0

 サンプルコードを実行するには、プロジェクトのフォルダーで「npm install」コマンドを実行してライブラリをダウンロード後、「npm run serve」コマンドを実行して、Webブラウザで「http://localhost:8080/」を開きます。

Vue.jsプロジェクトの概要

 最初に、Vue.jsのプロジェクトについて、生成・実行方法と、Wijmoの導入に必要となる最低限のプロジェクト内容を説明します。

プロジェクトの生成と実行

 Vue.jsのプロジェクトを生成するため、まずリスト1のコマンドを実行して、Vue CLIをインストールします。「-g」オプションはVue CLIをシステム全体にインストールすることを表します。

[リスト1]Vue CLIをインストールするコマンド
npm install -g @vue/cli

 Vue.jsのプロジェクトを生成して実行するには、リスト2のコマンドを実行します。

[リスト2]Vue CLIでVue.jsのプロジェクトを生成して実行するコマンド
vue create p001-cli # プロジェクト生成 ...(1)
cd p001-cli         # プロジェクトフォルダーに移動 ...(2)
npm run serve       # プロジェクト実行 ...(3)

 リスト2(1)実行時に、プロジェクト設定をカスタマイズする選択肢が表示されますが、今回は「default」(デフォルト設定)を選択します。Vue CLIの詳細については、公式ページも参考にしてください。

 リスト2(3)を実行して、Webブラウザで「http://localhost:8080/」を開くと、図1のWebページが表示されます。

図1 生成されたVue.jsプロジェクトの実行結果(p001-cli)
図1 生成されたVue.jsプロジェクトの実行結果(p001-cli)

Vue.jsプロジェクトの構成

 生成されたVue.jsプロジェクトにおいて、Webページ表示に関連する主なファイルを、表1に示します。

表1 Webページ表示に関連する主なファイル
No. ファイル 役割
1 public/index.html WebページのHTMLファイル
2 src/main.js Webページ表示時に実行される処理のJavaScriptファイル
3 src/App.vue Webページの内容を表示するVue.jsのコンポーネント

 public/index.htmlには、リスト3の通り、Vue.jsのコンポーネントを表示する<div>タグが記述されています。

[リスト3]Vue.jsのコンポーネントを表示する<div>タグ(p001-cli/public/index.html)
<body>
(略)
  <div id="app"></div><!-- ここにVue.jsのコンポーネントが表示される -->
(略)
</body>

 Webページ表示時に実行されるsrc/main.jsの内容は、リスト4の通りです。この処理では、Vue.jsのAppコンポーネントを、「app」というIDが設定されたリスト3の<div>タグに表示します。

[リスト4]Vue.jsのコンポーネントを表示する処理(p001-cli/src/main.js)
new Vue({
  render: h => h(App)
}).$mount('#app')

 以上の仕組みによって、AppコンポーネントがWebページの内容を表示します。本記事では、Appコンポーネントを実装するsrc/App.vueファイルを編集して、Vue.jsのWebページにWijmoのコントロールを表示させていきます。

次のページ
Vue.jsのWebページでWijmoのコントロールを利用

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この記事の著者

WINGSプロジェクト  吉川 英一(ヨシカワ エイイチ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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