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symfony入門

symfony入門(6):symfonyプログラミング 開発のテクニック(後篇)

symfonyによる実践的なPHPアプリケーション開発


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PHPのアプリケーションフレームワーク「symfony」による、アプリケーション開発を解説した連載最終回です。今回はsymfonyと連携して行うAjaxプログラミングについて触れます。

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はじめに

 symfonyフレームワークを利用したアプリケーション開発を紹介する連載も今回で最終回。最後は、symfonyと連携して行うAjaxプログラミングについて紹介します。

過去の記事

対象読者

 PHPの基本構文は一通り理解しているが、フレームワークを利用したことはないという方を対象としています。

必要な環境

 symfonyはPHP5とWebサーバがインストールされている環境で利用可能です。本連載ではWebサーバとしてApache 2.2を、OSにWindows XPを、データベースとしてMySQLを用いています。

 以下に、本連載でアプリケーション作成/動作確認に用いている環境を示します(インストールにあたっては最新安定版の使用を推奨します)。各項目の詳細なインストール手順は、「サーバサイド技術の学び舎 - WINGS」より「サーバサイド環境構築設定手順」を参照ください。

  • Windows XP SP2
  • PHP 5.2
  • PEAR
  • Apache 2.2.3
  • MySQL 5.0.24a

 LinuxやFreeBSDなどUNIX系OSをお使いの方もコマンドはほぼ一緒ですので、パスなどは適宜読み替えてください。

Ajaxの利用

 Ajaxはここ数年で急に広まった概念です。個々の技術は決して新しいものではありませんが、その組み合わせと使い方が最近のWebにマッチしたと言ってもいいでしょう。中核はJavaScriptです。symfonyでもAjaxを扱うべくヘルパーが用意されています。JavaScriptヘルパーと、Ajaxヘルパーです。

 Ajaxに有用なライブラリの一つにPrototypeが知られていますが、これは実はsymfonyにバンドルされています。よって、symfonyではPrototypeを用いながらAjaxを実現していくのが自然な流れとなります。

JavaScriptヘルパー

 文字通り、JavaScriptのためのヘルパーです。

 まず下準備として「settings.yml」に設定を加えるか、次のように使用を宣言します。

<?php echo use_helper('Javascript') ?>
  • JavaScriptのコードは、javascript_tag()で記述します。
  •  
    <?php echo javascript_tag("<Javascriptのコード>") ?>
    これは
    <script type="text/javascript">
    //<![CDATA[
    <Javascriptのコード>
    //]]>
    </script>
    
     
    に相当します。
     
    JavaScriptが動作しない設定になっているブラウザに対しては、通常次のような記述がなされます。
     
    <noscript>
      <p>JavaScriptが動作しない設定になっています。</p>
    </noscript>
    
     
    これに対し、JavaScriptが有効になっている場合にだけ読ませたいコードがある場合に、symfonyではif_javascript()ヘルパーを用いることができます。これはend_if_javascript()とペアで用い、例えば次のように記述します。
     
    <?php if_javascript(); ?>
      <p>JavaScriptが有効になっています。</p>
    <?php end_if_javascript(); ?>
    
     
  • ハイパーリンクをクリックした時に実行させたいスクリプトがあるなら、次のようにします。
  •  
    <?php echo link_to_function("Click me!",
      "alert('他サイトへジャンプします')") ?>
    
     
    これは
     
    <a href="#" onClick="alert('他サイトへジャンプします');return none;">
    Click me!</a>
    
     
    を再現します。
  • DOMエレメントの更新は通常次のように行います。
  •  
    <?php echo javascript_tag("
      document.getElementById("kekka").innerHTML
      = "<strong>更新が完了しました</strong>";
    ") ?>
    
     
    これは、次のように書き換えられます。
     
    <?php echo javascript_tag(
      update_element_function('kekka', array(
        'content'  => "<strong>更新が完了しました</strong>",
      ))
    ) ?>
    
     
    これだけでは一見何が利点なのか分かりづらいですが、これはエレメントの前後に要素を追加/削除する際も同様の簡潔な記述が可能ということです。以下を見ていただければほぼ同様の記述なのが分かるでしょう。
     
    要素後への内容の挿入
    update_element_function('kekka', array(
      'position' => 'after',
      'content'  => "<strong>更新が完了しました</strong>",
    ));
    
     
    要素前の内容の削除($conditionによる条件分岐つき)
    update_element_function('kekka', array(
      'action'   => $condition ? 'remove' : 'empty',
      'position' => 'before',
    ))
    
     

Prototype

 Prototypeライブラリはデフォルトでsymfonyにバンドルされていて、「data/web/sf/prototype」フォルダにあります。実際AjaxヘルパーはPrototypeを利用していているので、Ajaxヘルパーを利用すれば自動的に読み込まれます。明示的に呼び出す場合、例えば「view.yml」では

all:
  javascripts: [%SF_PROTOTYPE_WEB_DIR%/js/prototype]

 とすることで、またアクション中では

$this->getResponse()->addJavascript(sfConfig::get(
  'sf_prototype_web_dir').'/js/prototype');

 とすることでこのライブラリを使用できます。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 川北 季(カワキタ ミノル)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/1358 2008/08/19 19:05

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