最近のソフトウエア開発で必須のツールとも呼べる存在が、「GitHub(ギットハブ)」である。GitHubとは何か。使いこなすためのポイントを学ぼう。

 これまでGitHub の概要を解説してきた。GitHubを構成するバージョン管理機能の「Git」や課題管理機能の「Issues」、ドキュメント管理機能「Wiki」や「Pages」といった一通りの機能を理解したところで、実際にGitHubを利用する際の基本的な操作を解説しよう。基本作業の流れを押さえれば、操作はそれほど難しくない。

GitHubの構造

 まずGitHubの構造を把握しておこう。GitHubはアカウント単位にリポジトリーを作成する。そして、リポジトリーの単位に、IssuesやWikiが用意される。

GitHubの構造
GitHubの構造
[画像のクリックで拡大表示]

 GitHubのアカウントには、個人ユーザーアカウントのほか、複数のユーザーアカウントを束ねるグループ「Organization(組織)」アカウントもある。チーム開発では組織アカウントのリポジトリーを作成して共有するとよいだろう。

 組織アカウントは、所属するユーザーに対して細に権限を制御できる。例えば「管理者はXXX さんとYYYさん」「このリポジトリーが使えるのは、ZZZチームのメンバーの3人だけ」「顧客ユーザーはイシューの参照はできるが、書き込みはできない」といった設定ができるため、不用意な操作からリポジトリーを保護できる。

GitHubの開始に必要な作業

 ではGitHubを使い始めるために必要な作業を順に説明しよう。主に4つの作業を行う。

(1)ユーザーアカウント作成
(2)組織アカウント作成
(3)リポジトリー作成
(4)成果物編集

 ユーザーアカウントを作成するためには、GitHubのWebサイトにアクセスし、アカウント名とメールアドレス、パスワードを指定する。ユーザーアカウントを作成したら、今度はそのユーザーを所属させるための組織アカウントを作成する。組織アカウントもユーザーアカウントと同様に、アカウント名とメールアドレスを指定して作成する。ユーザーアカウントと異なるのは、有償の複数のプランが用意されていることだ。

GitHubの開始手順
GitHubの開始手順
[画像のクリックで拡大表示]

 GitHubで作成できるリポジトリーは、既定では「Public(公開)」扱いになる。しかし業務で作成するリポジトリーは、機密情報を含む可能性があるため、公開すべきではない。そこで一般には、「Private(非公開)」リポジトリーを選択する。ただし、Privateリポジトリーを作成するためには、有償である「Teams」か「Business Cloud」のいずれかのプランを選択しなければならない。機能やユーザー数によって、必要な方を選べばよいだろう。

 組織アカウントを作成し、必要なユーザーを所属させたら、いよいよリポジトリーを作成する。リポジトリーを作成する際には、名前、概要、公開範囲などを指定する。繰り返しになるが、業務用リポジトリーは公開範囲をPrivateにして作成することが最も重要な注意点だ。

 これでGitHubを利用するための準備は一通り完了したことになる。